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 便利屋インタビュー(5):本当は便利屋なんていらない

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【聞き手】 ポッポさんが便利屋として常日頃、心がけている事は何ですか?

【ポッポ】 少し質問とずれてしまうかもしれませんが、「ありがとう」の意味を噛み締める事かなと言うところです。

【聞き手】 お客さんからもらうありがとうを噛み締めると言う事ですね?

【ポッポ】 うーん、当たっている様で当たってません。

【聞き手】 では、どう言う事ですか?

【ポッポ】 私たち便利屋は、人が困っているのを解決するのが仕事です。例えば、引越しが思う様に進まないから今すぐ手伝いに来てくれないかとか、骨折して動けないから買い物に行ってくれないかとか、そんな用事ですよね。
これって、実は簡単な用事です。そして、これって、ずっと昔は隣近所に頼んでた用事じゃないですか?

【聞き手】 そうですよね。

【ポッポ】 ところが、今は高齢化や一人暮らし、隣近所の付き合いの希薄、そんなこんなでそんな簡単な用事を頼む人がいなかったり、頼もうと思っても頼めるほど付き合いがなかったりで、いざと言う時、にっちもさっちも行かなくなってしまう人が沢山いるんです。
だから、便利屋に頼む。でも、昔はどうでしたか?

【聞き手】 私は実家がかなり田舎だったので、何かあればすぐ隣近所の人が来てくれました。来なくてもいいのに来てくれたぐらい。(笑)

【ポッポ】 そうですよね。ずっと以前はそんな助け合いが当たり前だった。そして、今でもそんな付き合いがあるところは便利屋になんか頼みはしない。

【聞き手】 社会が変わってしまったわけですね。

【ポッポ】 ええ、だから便利屋がこうやって存在するんですが、ここで言いたいのは昔はだれに「ありがとう」を言っていたかなのです。

【聞き手】 昔は隣近所の人にありがとうを言っていたわけですね。

【ポッポ】 そうです。そのありがとうは便利屋に向けられるようになった。それはちょとおかしいはずなんです。もちろん、ありがとうを言っていただけるのはとてもうれしいですよ、でも、『わーいわーいありがとうをもらった』と喜んでばかりはどうかなと、いつも思うんです。............本当は返したいんです。ありがとうを。

【聞き手】 隣近所にですね。

【ポッポ】 ええ。私自身、便利屋ですが、便利屋がいらない社会が本来の社会だと思うんです。

便利屋インタビュー

1.依頼者と便利屋の架け橋に
2.便利屋になった理由は「怖いもの見たさ」
3.便利屋が全部出来るわけはない
4.便利屋の仕事はどれも楽しい
5.本当は便利屋なんていらない
6.依頼者は一人暮らしの女性が多い
7.意外に少ない大工仕事
8.遠方から依頼して得する便利屋活用法
9.入り口よければ出口よし
10.一生付き合えるのが便利屋

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