片付けられなくなる瞬間 - 片付けのキャパシティ

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「どうして片づけられないの?」
と、片付けが出来る人は、不思議に思うかもしれません。

片付けが出来る人と、片付けが出来ない人とでは、何が違うのでしょうか?

例えば、別の例を見てみましょう。

 a. 10kgの荷物を、持てる人と持てない人がいます
 b. 30名の人の名前を、覚えられる人と覚えられない人がいます

これらの能力の違いは、分かりやすいと思います。
個々人の能力には差異があるのは当然です。

荷物の重さが、その人の腕力を超えたら、持てなくなります。
覚える数が、その人の記憶力を超えたら、覚えられなくなります。

これは、その人のキャパ(キャパシティー)の問題です。

持てる人と持てない人、覚えられる人と覚えられない人に、違いはありません。
能力の範囲内で持つことが出来るし、覚えることが出来る。
これを越すと、持つことが出来ないし、覚えることが出来ない。
違いは、キャパの大きさだけです。

"人"が違うのではなく、"キャパ"が違うのです。

片付けも・・・同じ。

その人が片付けられる物の量がキャパを超えてしまうと、片づけられなくなります。

『片づけられる人が、片づけられない人になる瞬間』

それは、コップの水が溢れ出す瞬間。
片づけられなくなる瞬間は、誰にでもあるのです。
極端な例ですが、東京ドーム一杯の荷物を、一人で片付けることはできないでしょう。
家の物たちが、自分で管理できるキャパを超えてしまったとき、すべての人が、
片付けられる人から、片付けられない人になってしまうのです。

便利屋の仕事で、ゴミ屋敷の片付けにお伺いさせていただくことがあります。
部屋は、ゴミで一杯です。
一方でその方は、会社でバリバリ働いていらっしゃいます。
「会社ではどうなんだろう?」
会社のデスクは・・・片付いています。仕事もしっかりできます。
何故でしょうか?
それは、会社のデスクで管理している物の数が、キャパの範囲内だからでしょう。
時々、机の上が資料の山になっている管理職の方がいらっしゃるかもしれませんが、
その方は、管理しようとしてる紙の量が、キャパを超えてしまっている状態です。

片付けられない人というのは、管理する物の数がキャパを超えた状態にある人のことです。
そして更に、

「 家に入ってくる物の量 > 捨てる物の量 」

という、この状態が続いてしまうとゴミ屋敷になります。
単純明快な方程式ですが、全ての人に適用される方程式です。
そしてその危険性は、だれにでもあります。

人のキャパというのは、変化するものだからです。
体調が悪い人時は、10kgまでの荷物も一時的に持てなくなります。
気分が悪い時は、10名までの名前さえ覚えられなくなるでしょう。

仕事で多忙を極めている、風邪で具合が悪い、ストレス、精神的に不安定でノイローゼ気味、などなど。
そんな状態のときは、片付けのキャパが極端に小さくなります。
一時的に、部屋が散らかる状態は、誰にだってあるでしょう。
体の状態が健康に戻った時、また片付けられるようになります。
でも、もしもその時点で、もう片付けのキャパを超えてしまっていたとしたら・・・。

他にも要因はあります。
例えば、歳を追うごとに、体力は衰え、記憶力も低下していきます。
ということは、片付けのキャパも・・・。

認知症になる最大の危険因子は、年齢だそうです。
ということは、その可能性は誰にでも・・・。

一方で、人は学習能力を持っています。
鍛えていけば、その能力を少しずつですが、高めていくこともできるでしょう。
しかし、一夜にして、キャパを一気に上げることはできません。

片付けられなくなった人に対して、「片付けなさい!」といっても、それは困難です。
何故ならそれは、
10kgの荷物までしか持てない人に、「10kg以上の荷物を持て!」と言っているようなものです。
30名の名前しか覚えられない人に、「30名以上の名前を覚えろ!」と言っているようなものです。

できないものは、できません。

対処法は、荷物を10kg以下にしてあげたり、覚える数を30以下にしてあげることです。

同様に、片付けられない人が片付けられるようにしてあげるためには、
キャパの範囲内に物の数を減らしてあげなければいけないのです。
それをせずに、「片付けなさい!」では、言われたご本人は、とても辛いでしょう。
力を振り絞って12Kgの物を持ち上げたり、40名の名前を泣きながら覚えなくてはならないのです。
そんなことをしても、誰も幸せにはなりません。

重い荷物が持てなくなった人がいたら、手を差し伸べて持ってあげる。
そして、「もうこんなに詰め込むのはやめようね」とアドバイスしてあげる。
覚えられない人がいたら、メモを書いて差し上げる。
これが、普通でしょう?

片付けられない人に対しても、同じように手を差し伸べてあげましょう。
片付けられる物の数まで、減らしてあげましょう。
そして、キャパを超えないように、アドバイスをしてあげましょう。

片付けられなくなってしまった人は、大抵、誤った考え方をしてしまいます。
『もっと収納スペースがあったら、片付けられるのに・・・』
これは、間違っています。一時的なゴミ置き場を作っているようなものです。
収納スペースを大きくしてしまったら、さらにキャパを超えて、もっとひどいことになります。
逆なのです。
収納スペースを小さくする。
キャパの範囲内に、物の数を調整しなければなりません。
そうすれば、片付けられるようになります。

片付けられない人というのは、管理する物の数がキャパを超えた状態にある人のこと。
であれば、その状態を治してあげればよいのです。

『片づけられない人が、片づけられる人になる瞬間』

です。

そしてもうひとつ、大切なこと。片付けしやすい部屋作り。
「とりあえず・・・」と物を置いてしまう事がないようなシステム作りです。

物の住所が決まっていて、どこに何をどう収納すれば良いか分かりやすい整理整頓システム。
使うものが、使う場所にあり、ワンアクションで出し入れしやすい収納設計。
家の外から押し寄せてくる物(特に紙類)を、水際で食い止める処理システム。
ゴミ出しをしやすいゴミ箱の設置法。
手間のかからない洗濯物のたたみ方と衣類の収納。
食品の賞味期限を管理しやすいキッチン収納。

理論は、あります。
片付けのキャパが小さくても、維持しやすい機能優先の整理整頓術。

あとはそれを、施してあげるだけ・・・。