希望のニート
NPOニュースタート事務局 二神能基さんの著書とその活動から、ニートの問題を考えます。
身近なニート
ニート 【 Not in Education, Employment or Training 】(学業にも、職業にも、職業訓練にもついていない人たち)という言葉も、既に定着して久しいと思います。
日本では一般的に、「働く意欲の無い若者」と認識されています。はたして本当にそうなのでしょうか?
まず、ニートが生まれる要因から考えて見ます。
外面的な要因
一番目には、社会的な要因が大きいとおもいます。効率至上主義で利益だけを求め、人間関係がドライになた労働社会の中では、真面目でおっとりとした人が働きづらい環境になっています。
内面的な要因
二番目にくるのが、若者自身の意欲という内面的な問題でしょう。しかし、この内面的な問題だけでは、決して解決できないこともたくさんあると思います。
ニートになる家族には、真面目すぎる親と子の関係があるそうです。真面目だからこそニートになってしまう。そのような逆説的な現象が生まれる背景に、今の日本社会の歪みがありそうです。
テキパキと効率的に仕事をこなし、利益に貢献する従業員しか受け入れられない企業。そのような労働市場のなかで、スローライフに価値観をおいている人たちにマッチする職場環境が見当たりません。
いまの日本社会の中では、誰でもニートになる可能性があります。
そして、ニートになる人たちは、働く意欲の無い若者とは限りません。スローライフを目指す人たち。
彼らは、「働かない」のではなく、「働けない」のです。
まずはリラックス
さて、そのような身近なニートをなんとかしようとおもったら、まずはリラックス。
余裕の無い生真面目さが、問題解決をより一層難しくしてしまいます。
世の中で、一番強いのは、鋼鉄ではなくて、柳です。
遊びの部分、つまり、たるみというか余裕のある状態が、しなやかな弾力性持った強さになります。
ニートの問題について考える前に、まずはコーヒーを入れてリラックス。
美味しいケーキがあれば、最高ですね♪
自立からの呪縛
ニートの若者も、そしてその家族も、その生真面目さゆえに、「なんとか自立しなければ!」と強く思い込みすぎで、どうも自分で自分を必要以上に縛り付けてしまっているようです。
もっと気を楽に構えましょう。人間が一番その能力を発揮する状態は、リラックスして脳からα波が出ているときなのです。一人で思い悩んだところで、良い解決策はなかなか出てきませんよ。
ニートの3タイプ
NPOニュースタート事務局でニートや引きこもりの若者の再出発を支援している二神能基さんは、「ニート」には大まかに三つのタイプがあるといいます。
1)情報力必要型ニート
就労についてのきめ細かな情報提供を必要とする層です。彼らは、自発的な就職浪人や、就職活動をしたのに採用されなかった若者たちです。このような方たちには、きめ細かな就職情報の提供やキャリア・カウンセリングなどで、ある程度対応できます。
2)社会力必要型ニート
就労以前に、人間関係が苦手で社会に出てもすぐに挫折しそうな層です。このような方たちには、ジョブカフェでは対応が難しそうです。彼らは、他人と話をするときに何を話したらいいかわからない、と悩んでいます。
「若者自立塾」で行っているようなサポートも必要でしょう。
3)人間力必要型ニート
生きていること自体に、喜びを感じられない層です。このような方々に対しては、不足している「人間力」を育てる必要があります。生活環境から変えてしまう必要もあるでしょう。個人的には、"旅"に出ることをお勧めしています。高野山や四国のお遍路さん、北海道での酪農体験、人々が"生きるため"に懸命に楽しく生活しているアジアの国々。そのような新しい刺激が、失われかけていた人間感覚を呼び戻し、生きる喜びを見出し始めるのです。
NPOニュースタート事務局で「お遍路プロジェクト」を開催している二神能基さんは、四国の大自然を歩く爽快感の中、人とふれあい、人間として生活する幸福感を味わことで、ひきこもりの人たちの表情が目に見えて健康的でほがらかになり、言動が明るく生き生きとしてくるといいます。その鮮やかな変化に接していると、反面、彼らがいかにそれまで生きる喜びを感じられない場所で生活してきたのかを思わずにはいられないともおっしゃっています。
人として楽しく生きる
「自立しなければいけない」
「他人に迷惑をかけてはいけない」
「人生に目的をもたなくてはいけない」
ニートの若者が、親からの言葉で何を一番守らなければいけないかと質問したときに、返ってくる言葉だそうです。いかにニートの若者が、生真面目で誠実すぎるほど誠実なのかが分かります。
もっと力を抜いて楽に生きられれば、どんなに素晴らしいことか。
"ただの人として、楽しく生きよう!"
生きているということ自体が、それだけで最も尊くて価値のあること。
そして自分が生きていることに対して、周りの人に笑顔で感謝すること。
まずは、そこから。楽しくなければ始まりません。
なぜニートになるのか?
ニートの原因を、「人間関係の行き詰まりから生まれた個人の問題や病気」にように考えている人が多いようです。(実際にこういう報道も多いそうです。)
では、人間関係を改善すれば問題が解決するのでしょうか?これは、問題の本質を見誤っています。
最終的な結果として人間関係が出てきていますが、その真の原因に、人生や仕事に希望をもてないからという奥深い問題が潜んでいるのです。
人間関係のトラブルは、社会で生活する以上は、必ず誰でも持っているものと思います。
しかし、仕事や学ぶことに希望や喜びを感じられれば、多少の嫌な人間関係も我慢できるし、なんとかやり過ごすことができます。人間関係の問題を乗りこえるための原動力である、希望や喜びが無いのが一番の問題です。
一方で、仕事に希望や喜びを感じられないのにニートにならない人たちもいます。かれらは、ニートとどこが違うのでしょうか?
それを分けるのは、拠って立つ人間関係を持っているかどうかだと、二神能基さんは言っています。
これは、ニートに限らず、人間社会で生きていくためには必要なものだと思います。
社会の中で自分の居場所がなければ、どうしてもひきこもってしまいます。
最初のきっかけ
ニートやひきこもりを改善するといっても、彼らはすぐに表にはでてきてくれません。(ひきこもりなのですから。。。)
かといって、家族や親ではこれまでの経緯から、最初のきっかけを作るのは難しそうです。
だから最初は、第三者が、かれらのお兄さん役・お姉さん役として、彼らのもとを訪れる家庭訪問(といっても、気軽に遊びに行く程度)が良いと思います。
新しい人との新鮮な関係が、よい刺激になるでしょう。
ニートの方にはまず、「仕事体験」以上に「人間体験」が必要なのです
試行錯誤
次は、あれをやったりこれをやったりと試行錯誤をしてみるのが良いでしょう。
子供の頃の生活の中で、色んなことをして、成功したり失敗したりする経験が、今の若者に足りないのです。
成功体験、失敗経験、どんどんしましょう。これにも、旅をすることをお勧めします。
そして最後に、自信をつける成功体験をひとつ。これで決まりです。
共同生活
他人と協力する意味を知る経験も大切です。自立塾や、ひきこもりの再出発を支援しているところでは、子供を預かって共同生活をする施設もあります。
そこには、学校以外の学びの場、会社以外の働きの場があります。
やりたくない仕事探し
職場への再出発の際には、どんな仕事をするのかを考えることになります。
しかし、やりたい仕事はなかなか見つかるものではありません。今働いている人たちでされ、今の仕事が本当にやりたい仕事だと断言できる人は非常に少ないと思います。
ですから、キャリア・カウンセリングの時には、やりたくない仕事探しをして、その職種を消していきます。
そうして残った「やってみてもいい仕事」という複数の選択肢の中から、就職先を探していきます。
仕事への愛着
どうしても我慢ならない事でない限り、人間は慣れ親しんだものに愛着を感じるものです。
子供の頃の記憶がそうですね。好きな食べ物、好きな遊び、好きな場所、好きな人たち。
これらは、色々ものを全部食べ比べて一番美味しかったから"これが一番好き"となったわけではなく、自分が一番慣れ親しんだこと、その懐かしい記憶が、よりいっそう「好き」にさせているのです。
この世の中のありとあらゆる仕事の中から、一番やりたい仕事をひとつ見つけ出すのは不可能です。
たから、嫌いではない仕事を見つけて、それを長く続けていくようにしましょう。
次第にその仕事に愛着がわいてきて、好きになってくる。それが人間というものだと思います。
家庭を開く
ニートやひきこもりの再出発には、時間もかかるし、色々と大変な苦労もあると思います。
どうかご家族だけで、問題を抱え込まないでください。
相談するところ、支援してくれるところ、助けてくれるところはたくさんあります。
家族の中だけの問題に閉じ込めないでください。
「家庭を開く」ことで、新鮮な風が家の中に入ってきます。
がんばらない あきらめない
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